ベトナム進出コンサル・支援会社を比較【2026年版】
最終更新:2026年3月20日|監修:Talenty合同会社
本記事は支援範囲・費用形態・拠点の3軸で支援会社を4タイプに分類し、各社の公開情報(2026年3月時点)に基づいて比較しています。掲載基準:①日本語の公開情報がある ②ベトナム進出支援を提供 ③拠点または支援範囲を確認できる事業者。費用は公開情報ベースで、非公開項目は「要見積もり」と表記しています。

ベトナムは日系企業の進出意欲がASEAN主要国で最も高い国です。JETROが2025年11月に公表し2026年2月に訂正告知を出した「2025年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)」では、今後1〜2年で事業拡大を予定する在ベトナム日系企業は56.9%と高水準です[1]。ASEAN内でも拡大意欲はトップクラスで、進出先としての注目度は依然として高い状況です。
しかし「どの支援会社に頼むか」で進出の成否は変わります。このページでは、ベトナム進出支援を4つのタイプに分類したうえで、代表的な支援会社7社を個社名入りで比較。自社に合うパートナーを判断できるように整理しました。
ベトナム進出支援の4タイプを比較
支援会社は提供サービスの領域によって4タイプに分かれます。「自社が何を頼みたいか」で最適なタイプが決まります。

| タイプ | 特徴 | 費用感 | こんな企業向け |
|---|---|---|---|
| 総合型 | 市場調査〜法人設立〜運営フォローまで一貫対応 | 数十万〜数百万円(スコープにより変動) | 初進出・スピード重視 |
| 会計税務型 | 税務申告・会計・労務管理に特化 | 月額制が主体 | 進出済み・設立後のバックオフィス強化 |
| 市場調査型 | フィジビリティ調査・販路開拓・競合分析 | スポット契約、数十万〜百数十万円 | 参入前の市場検証段階 |
| EOR/GEO型 | 法人設立なしで現地人材を雇用できる海外雇用代行 | 月額数万〜十数万円/人(事業者・人数で変動) | 先行試験・小規模スタート |
費用の注意点: 上記は目安です。業種・進出エリア(ハノイ/ホーチミン)・支援範囲によって大きく変動するため、必ず複数社から見積もりを取って総額比較してください。VAT・翻訳費用・公証費用が別建てになる場合もあります。
EOR/GEOとは? — できること・できないこと
EOR(Employer of Record = 海外雇用代行)やGEO(Global Employment Organization)は、現地の雇用受託事業者を通じて法人設立前でも現地スタッフを雇用できる仕組みです。法人設立に必要な投資登録証明書(IRC)や企業登録証明書(ERC)の取得を省略でき、撤退時の清算手続きも不要なため、リスクを抑えた進出テストに向いています。
重要な注意点: EOR/GEOでは法的雇用主はEOR事業者であり、自社ではありません。そのため以下のことはできません。
- 自社名義での営業許認可・ライセンスの取得
- 現地での自社名義による契約締結
- 自社名義での輸出入業務
- ベトナム国内での自社名義による売上計上(売上計上やPE該当性はスキーム次第で論点が残るため、個別確認が必要)[2]
- 本格的な常設拠点(工場・店舗)の運営
EOR/GEOはあくまで「進出テスト」や「リモート人材の雇用」に適した手段です。本格的な事業展開には法人設立が必要になります。
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代表的な支援会社を比較
支援タイプを理解したら、次は具体的な会社選びです。以下にベトナム進出支援の代表的な7社を比較します。

| 会社名 | タイプ | ベトナム拠点 | 得意分野 | 向いている企業 | 費用目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| I-GLOCAL | 総合型 | ホーチミン・ハノイ | 2003年設立、250名体制。会計税務+法人設立を一体提供 | 設立後の会計税務まで一気通貫したい企業 | 要見積もり |
| AGS | 会計税務型 | ハノイ・ホーチミン・ダナン他(5拠点) | 日本国税理士常駐。1,000社超の支援実績 | 税務・会計を日本語で安心して任せたい企業 | 要見積もり |
| 東京コンサルティングファーム | 総合型 | ハノイ・ホーチミン | 20か国超・40拠点以上のグループ。EOR/GEOも提供 | 複数国同時進出やEORから始めたい企業 | 要見積もり |
| ONE-VALUE | 市場調査型 | ハノイ・ホーチミン | ベトナム特化コンサル。市場調査〜M&Aまで | 市場調査・パートナー探索を先行したい企業 | 要見積もり |
| マナボックス | 会計税務型 | ハノイ・ダナン・ホーチミン | 2015年設立、300社超の実績。中小企業に強い | 中小規模でコスト意識の高い企業 | 要見積もり |
| JETRO | 公的支援 | ハノイ・ホーチミン | 政府系機関。無料相談・現地ブリーフィング | 初期情報収集段階の企業(実務代行は不可) | 無料 |
| Digima〜出島〜 | マッチング | 日本(オンライン) | 進出支援会社の比較・マッチングプラットフォーム | 候補選定を効率化したい企業 | 相談無料 |
比較時のポイント: 上表の費用目安は各社公開情報に基づく参考値です。実際の費用は業種・規模・支援範囲で大きく変わるため、候補3社以上から同条件で見積もりを取ることを推奨します。
支援会社の選び方 — 5つのチェックポイント
タイプを絞ったら、次は個別の支援会社を比較します。以下の5点を確認してください。
1. 自社業種の実績があるか
製造業・小売業・IT・飲食では必要な許認可や外資規制がまったく異なります。「ベトナム進出支援○○社実績」の数字ではなく、自社と同じ業種での支援経験があるかを確認してください。たとえば小売業では条件付き外資参入規制が論点になるなど、業種固有の規制知識が不可欠です。
2. 現地拠点(ハノイ/ホーチミン)の有無
ベトナムは北部(ハノイ周辺)と南部(ホーチミン周辺)で法令運用や商慣行が異なることがあります。日本オフィスだけで対応する支援会社の場合、許認可取得や当局対応で遅延が発生するリスクがあります。自社の進出予定都市に常駐スタッフがいるかを必ず確認してください。
3. 設立後フォローの範囲
法人設立だけをサポートし、設立後の税務・会計は別契約という会社は少なくありません。ベトナムの税務実務は複雑で、標準法人税率20%に加え、VAT(付加価値税)の時限的軽減措置や行政再編による窓口変更など[3]、初年度から専門知識が求められます。設立から運営フェーズまで一貫して頼めるかを事前に合意しておくことが重要です。
4. 担当者の体制
担当者が1名体制の場合、退職・異動で引き継ぎが途絶えるリスクがあります。複数名体制か、引き継ぎの仕組みがあるかを事前に確認しましょう。
5. 複数社で比較する
費用・対応範囲・実績を同条件で比べるために、3社以上からの見積もり取得を推奨します。費用だけでなく「誰が担当するか」「設立後は何をカバーするか」まで具体的に聞くことが、後悔のない選定につながります。
比較時に使える質問リスト
支援会社への初回相談で以下の質問をすると、各社の対応力が見えてきます。
- 「当社と同じ業種(○○業)での支援実績は直近3年で何件ありますか?」
- 「設立後の税務申告・労務管理まで一貫対応できますか?別契約ですか?」
- 「担当者の異動・退職時の引き継ぎ体制はどうなっていますか?」
- 「ハノイ/ホーチミンの当局対応は現地スタッフが直接行いますか?」
- 「見積もりに含まれない追加費用(VAT・公証費用・翻訳費用等)はありますか?」
- 「進出後に想定外の規制変更があった場合、どのように対応してもらえますか?」
支援タイプの詳細と費用相場については「ベトナム進出ガイド|メリット・リスクを他国比較で解説」も参考にしてください。
公的支援を活用する — JETROの無料サービス
ベトナム進出を検討する初期段階では、JETROの無料サービスを最大限に活用することを推奨します。民間コンサルに依頼する前の情報整理に有効です。
JETROの主な無料サービス:
- 貿易投資相談: 国内事務所で経験豊富なアドバイザーが進出実務を無料相談[4]
- 海外ブリーフィングサービス: ハノイ・ホーチミンの現地事務所が最新の投資環境を説明(無料・事前予約制)[5]
- 海外ビジネスアドバイザー: ホーチミンに配置された専門アドバイザーへの相談(進出済み企業向け)[6]
- ハノイ・プラットフォーム: 中小企業の現地展開を官民連携で支援
活用の順序: まずJETROで制度・市場の全体像を無料で把握し、具体的な法人設立手続きや税務実務は民間コンサルに依頼する、という使い分けが効率的です。JETROの相談で得た情報をもとに民間コンサルへの質問を具体化できるため、見積もり精度も上がります。
よくある3つの失敗パターン
ベトナム進出支援の現場で報告されている代表的な失敗を3つに絞って紹介します。
1. 法人設立後にコンサルへ駆け込み
「設立だけ自力でやって、困ったら相談しよう」と進めた結果、税務申告の段階で手詰まりに。設立初年度のミスは追加課税リスクにつながります。
2. 費用の安さだけで選んだ
日本オフィスのみで対応する支援会社を安さで選び、現地当局とのやりとりに大幅な遅延が発生。費用が安い=コスパが良い、にはなりません。
3. 進出先を1カ国しか検討しなかった
ベトナム一択で進めたものの、自社の業種にはタイやインドネシアのほうが適していたケース。進出先は必ず複数国を比較して判断すべきです。
失敗パターンの詳細と回避策は「東南アジア進出で日本企業が失敗する7つの原因」で解説しています。また、ベトナムとタイの比較は「ベトナムとタイ、進出先はどっち?業種別に比較」をご覧ください。
▶ ベトナムの税務・会計で失敗しないためのサポート詳細を見る
まとめ — 比較の第一歩はここから
ベトナム進出支援は「総合型」「会計税務型」「市場調査型」「EOR/GEO型」の4タイプに分かれます。加えてJETROの公的支援を初期段階で活用することで、コストを抑えながら情報収集が可能です。
選定の3ステップ:
- JETROの無料相談で制度・市場の全体像を把握する
- 自社の進出段階と目的に合ったタイプ(4タイプ)を選ぶ
- 候補3社以上から同条件で見積もりを取り、質問リストで対応力を確認する
UpAsiaでは、ベトナム進出支援に特化した企業の資料を無料で掲載しています。まずは資料を比較するところから始めてみてください。
▶ ベトナム市場参入トータルサポート — 設立から運営まで一貫支援の資料を見る
▶ EOR/GEOでの先行進出 — 法人設立なしでまず1名から始める方法
▶ AGSベトナム税務会計事務所 — 5拠点体制の税務・会計ワンストップサポート
出典・参考資料
- JETRO「2025年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)」2025年11月公表・2026年2月訂正反映. https://www.jetro.go.jp/news/releases/2025/13aebb32e58e01ad.html
- JOB LINKS「EOR/GEO(海外雇用代行)とは?拠点設立との違い」. https://joblinks.vn/ja/what-is-eor-geo
- PwC「Vietnam Tax Summary 2025-2026」— 法人税率・VAT軽減措置・行政再編の影響
- JETRO「貿易投資相談」. https://www.jetro.go.jp/services/advice/
- JETRO「海外事務所による現地事情ブリーフィング(無料)」. https://www.jetro.go.jp/services/briefing/
- JETRO「海外ビジネスアドバイザーへのご相談(無料)」. https://www.jetro.go.jp/services/advisor/
