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ベトナム進出セミナーの選び方|開催要項の読み方と参加前後の準備【2026年】

ベトナム進出セミナーの選び方|開催要項の読み方と参加前後の準備【2026年】

ベトナム進出セミナーは、主催者の種類より先に、開催要項の対象者・講演項目・登壇者の専門で選ぶと、得た情報を次の比較に使えます。質疑応答を設けない回もあるため、質問の受け付け方を申込前に確かめ、参加後は各社の資料で支援内容を比べてから相談先を絞ります。

この記事は、東南アジアビジネス資料ポータル UpAsia(アップアジア、運営: Talenty株式会社)の編集部が、公開一次資料をもとにまとめた解説です。ジェトロの 2025 年度海外進出日系企業実態調査、ジェトロのイベント情報の分類、自治体と民間企業が公表した開催要項を読み、セミナーの選び方を整理しました。参加前後の手順と、聞いた内容を資料の比較につなげる記録の仕方までを扱います。

ベトナム進出セミナーとは何か?

答え: ベトナムへの進出や現地事業を題材に、制度・市場・実務を講演で伝える催しです。主催は公的機関、自治体と企業の共催、民間の支援会社に分かれますが、扱う論点の深さは回ごとのプログラムで変わります。

公的機関の代表はジェトロ(日本貿易振興機構)です。ジェトロの「イベント情報」ページでは、催しが「セミナー・講演会」「展示会・商談会」「海外現地視察(ミッション)」「相談会」の 4 種類に分類されています。現地を訪ねる視察団や個別の相談会も、同じイベント一覧から探せます。一覧の「対象」欄では、「初心者向け」「ジェトロ・メンバーズ限定」「ジェトロ・メンバーズ向け割引/無料枠あり」で絞り込めます。

自治体が主催し、企業が共催する例もあります。愛知県の開催案内によると、2026 年 10 月 13 日の回は愛知県が主催、双日が共催し、ジェトロ名古屋貿易情報センターなどが後援しました。対象には航空関連産業の企業・団体や県内中小企業を挙げ、定員は対面 70 名、オンライン 100 名でした。講演は投資環境、ベトナム南部の事業環境、進出企業の現地事業展開などで、名刺交換の時間は対面のみでした。

地域金融機関が主催し、県が共催する形もあります。神奈川県が共催した「ベトナム進出セミナー」(2026 年 9 月 18 日開催、参加無料)は、横浜銀行などが主催し、会場とオンラインの併用で行われました。プログラムは、進出形態の比較と事業ライセンス(投資登録証明書 IRC・企業登録証明書 ERC)の基礎、改正投資法で変わる進出の手順、県の進出支援の紹介という構成でした。改正後の投資法(法律 143/2025/QH15)は 2025 年 12 月 11 日に成立し、原則 2026 年 3 月 1 日に施行されています。対象は「ベトナム進出を検討中の日系企業」と明記され、検討段階の企業向けに実務を扱う回でした。

民間の支援会社には、進出コンサルティング会社、会計・税務事務所、法律事務所、M&A 支援会社などがあります。ONE-VALUE 株式会社が主催した 2026 年 9 月 2 日のセミナー(参加無料、30 分)は、視聴用 URL をメールで送る形式でした。講演項目は進出方法の比較、現地法人設立・JV・資本業務提携の使い分け、M&A の注意点、主催社の支援事例です。要項には「本セミナーでは質疑応答は行いません」と明記されています。

なぜベトナム進出の検討にセミナーが役立つのか?

答え: 進出企業が挙げる課題が、行政手続きや法制度の運用、採用といった文書では読み取りにくい領域に集まっているからです。制度の実務上の扱いを、現地で手続きに関わる専門家から聞ける場として使えます。

ジェトロの 2025 年度海外進出日系企業実態調査(ベトナム編)は、2025 年 8〜9 月に実施されました。在ベトナム日系企業 906 社が回答し、設問ごとに回答数は異なります。2025 年の営業利益で黒字を見込む企業は 67.5% で、前年から 3.4 ポイント増えました。今後 1〜2 年で事業を「拡大」すると答えた企業は 56.9% でした。

同じ調査では、投資環境のリスクとして挙がった項目も並んでいます。「行政手続きの煩雑さ(許認可など)」を挙げた企業は 67.5%、「法制度の未整備・不透明な運用」は 58.7%、「人件費の高騰」は 57.3% でした。直近 2 年で採用が難しくなったと答えた企業は 48.2% で、同じ設問の ASEAN 全体の値は 36.8% でした。2023 年度の類似調査では 11.2% でしたが、比較対象期間と回答企業数は異なります。

調査で挙がった課題 登壇者に尋ねる質問の例 資料で確かめる項目
行政手続きの煩雑さ(67.5%) 当社の業種で IRC・ERC と並行して要る許認可は何か 設立・許認可の代行範囲
法制度の不透明な運用(58.7%) 改正投資法の施行後、手続きの順序はどう変わったか 法改正への対応体制、日本語窓口
人件費の高騰(57.3%) 候補地域の賃金水準は何で調べるか 給与計算・労務の支援範囲
採用難(48.2%) 候補地域で技術者を採る経路は何か 人材紹介の対象職種と地域

ジェトロの数値は進出済み企業の回答で、これから進出する企業の結果を示すものではありません。検討中の企業は、表のように課題を質問と資料の確認項目に置き換えると、講演の内容を比較に使えます。

ベトナムの全体像を先に押さえたい場合は、ベトナム進出ガイド|メリット・リスクを他国比較で解説【2026年版】 で他国との違いを確かめてからセミナーを選びます。全体像を知った上で講演を聞くと、話の位置づけをつかみやすくなります。

ベトナムを含む東南アジアの国を比べている段階なら、市場調査・戦略策定・初期営業の伴走支援を紹介する資料で、支援の範囲を先に確かめられます。 東南アジア進出の伴走支援資料をダウンロード(無料)

自社に合うセミナーはどう見分けるのか?

答え: 開催要項の「対象者」「講演項目」「登壇者の専門」の 3 条件で参加の可否を絞り、主催者の種類は最後に確かめます。題名が似ていても、対象と講演項目が違えば得られる情報も変わります。

候補のセミナーを対象者・講演項目・登壇者の専門の3条件で絞り、段階と論点が合う回を選ぶ流れを示す図
図1: セミナーの絞り込み。主催者の種類より先に、対象者・講演項目・登壇者の専門で選ぶ
  1. 対象者の欄を読む。要項の対象欄に「進出を検討中」とあるか、「進出済み」とあるかを確かめ、自社の段階と照らします。UpAsia の資料ページも、対象顧客を「進出検討中」「進出が決定している」「進出済み」の 3 段階で示しています。
  2. 講演項目と業種を見る。ジェトロのイベント一覧は「目的」と「産業」で絞り込めるため、「機械・機器」の海外進出と「農林水産物・食品」の輸出・販路開拓を分けて探せます。2026 年 10 月時点の一覧には国で絞る項目が見当たらず、「開催地」は参加する場所の条件です。目的や産業で絞った後、題名で「ベトナム」を確かめます。
  3. 登壇者の専門を確かめる。法律事務所の弁護士なら許認可と法改正、金融機関なら投資環境、進出企業なら現地事業の経験というように、所属から答えられる質問の範囲を見積もります。講演項目に主催社の支援事例が入る回もあるため、サービス紹介や個別相談の有無は要項で確かめます。
  4. 形式と質疑の有無を確かめる。交流時間がある会場開催では、名刺交換で登壇者と話せます。ジェトロの一覧には「オンライン開催」(ライブ配信・オンデマンド配信を含む)の絞り込み項目があります。質疑応答を設けない回もあるため、事前質問の受付と終了後の問い合わせ先を申込前に確かめます。

終了済みの 3 件を同じ軸で並べると、次のとおりです。いずれも比較用の過去例で、今後の開催条件を示すものではありません。

項目 愛知県(2026年10月13日) 神奈川県共催(2026年9月18日) ONE-VALUE(2026年9月2日)
主催体制 県が主催、双日が共催 横浜銀行などが主催、県などが共催 民間企業の主催
対象 航空関連産業、県内中小企業など 進出を検討中の日系企業 進出手法を整理したい経営者など
講演項目 投資環境、南部の事業環境、進出企業の事例 進出形態、事業ライセンス、改正投資法 進出方法、JV・M&A、主催社の支援事例
形式・交流 対面とオンライン、名刺交換は対面のみ 会場とオンラインの併用 視聴用 URL を送る形式、質疑なし
選ぶ条件 製造業で南部の立地と事例を聞きたい 許認可の順序を検討段階で知りたい 提携・買収での参入を比べたい
見送る条件 業種が航空・製造と離れている 進出済みで運営課題を聞きたい 講演中に自社の質問をしたい

3 件は、主催者の種類と講演の深さが一致しない例でもあります。公民共催の神奈川県の回は検討中の企業向けに実務を扱い、民間の ONE-VALUE の回は進出方法の比較から入っています。主催者別の分類は傾向の目安にとどめ、実際の内容は対象者とプログラムで判断します。

セミナーと資料・個別相談はどう組み合わせるのか?

答え: セミナーで論点をつかみ、複数社の資料で支援内容を比べ、絞った 2〜3 社に個別相談する順に組み合わせます。登壇企業 1 社の説明で判断せず、同じ項目で並べてから相談すると比較の軸がぶれにくくなります。

セミナーで論点をつかみ、資料で支援内容を比べ、個別相談で自社の条件を聞く3段階の組み合わせを示す図
図2: セミナー・資料・個別相談の組み合わせ。資料で比べてから相談すると比較の軸がそろう

セミナーの役割は、自社が答えを出すべき論点を知ることにあります。講演の内容は、次の 5 項目を 1 社 1 行で書く比較票に残すと、資料と相談で同じ軸を使えます。

  1. 質問。業種・候補地域・進出時期を入れて書きます。たとえば「自動車部品の製造で、2027 年に南部の工業団地へ入る場合、IRC・ERC と並行して要る許認可は何か」という形です。
  2. 回答の適用条件。回答が前提にした業種・資本構成・地域を書き添えます。条件が違えば、同じ回答を自社に当てはめられないためです。
  3. 未回答の事項。時間切れや質疑なしで聞けなかった質問を残します。要項の問い合わせ先か個別相談で聞く項目になります。
  4. 資料で確かめる項目。対応範囲・対象地域・対応言語のうち、講演で触れなかったものを書きます。
  5. 相談先に残す理由。候補として残す会社ごとに、どの回答や資料の記載が自社の条件に合ったかを 1 文で書きます。

資料の段階では、比較票の項目を各社の資料に当てていきます。UpAsia の各資料ページには、カテゴリ・対象地域・対象顧客・対応言語と掲載企業の紹介文が載っています。UpAsia 編集部の集計では、2026 年 10 月 21 日時点で公開中の資料ページは 77、掲載企業は 55 社でした。資料のダウンロードには無料の会員登録(入力 1 分)が要り、登録したメールアドレスにダウンロード URL が届きます。

個別相談の窓口は、UpAsia ではなく各掲載企業です。相談先の候補を絞る観点は、ベトナム進出コンサルの選び方と費用相場【2026年】 で整理しています。

比較候補が複数残ったら、どれを優先するのか?

答え: 自社がまだ答えを出せていない論点を扱う回を先に選びます。国や都市を比べる段階では投資環境の講演、立地や設立形態を詰める段階では手続きや立地の専門家が登壇する回を優先します。

未解決の論点 優先する回 参加後に比べる資料のカテゴリ
市場動向と投資環境 投資環境を扱うセミナー・講演会 進出支援・コンサルティング
現地を自分の目で見たい ジェトロなどの海外現地視察(ミッション) 進出支援・コンサルティング
製造拠点の立地 地域別の事業環境や工業団地の講演 進出支援・コンサルティング
会社設立・許認可と会計・税務 法律・会計の専門家が登壇する回 会計・税理士事務所、海外法人設立代行
現地の採用と人事労務 人材会社・専門家の講座 外国人紹介サービス
地元自治体の支援策 自治体・地域金融機関の催し 進出支援・コンサルティング

同じ論点の回が 2 つ残ったら、質疑の時間がある回か、登壇者が自社の業種で経験を話す回を優先します。支援会社の登壇が続く場合は、同じテーマで 2 社以上の話を聞くと、1 社の支援内容を前提にした説明に偏りにくくなります。東南アジア全体で支援会社を比べたい場合は、東南アジア進出支援サービスの選び方と比較【2026年版】 が参考になります。

本記事の資料案内は、論点に合わせて 3 つに分けました。国を比べる段階には市場調査・戦略策定・初期営業の伴走支援、製造拠点の立地にはベトナムの工業団地選定、設立後の実務には会計・税務・会社設立の資料を置いています。

製造拠点としてベトナム進出を検討している企業向けに、工業団地選定の無料コンサルティングを案内する資料です。セミナーで聞いた立地の論点と照らして読めます。 工業団地選定コンサルの資料をダウンロード(無料)

参加の準備と申し込みはどう進めるのか?

答え: 自社で段階と質問を決めて申し込み、主催者が参加方法の案内と講演の運営を担う 4 段階で進めます。準備・申込は自社、案内・講演運営は主催者側の役割です。

セミナー参加までの4段階。段階と質問の準備、質疑を確かめた申込は自社、案内と講演運営は主催者側が担う
図3: 参加までの流れ。準備・申込は自社、案内・講演運営は主催者側が担う
  1. 検討段階と質問を決める。自社が「検討中」「決定」「進出済み」のどこにいるかを社内で揃え、聞きたいことを 3 つまで書き出します。質問には、比較票と同じく業種・候補地域・進出時期を入れます。
  2. 質疑の有無を確かめて申し込む。ジェトロの「イベント情報」や、中小企業基盤整備機構の「支援情報ヘッドライン」でセミナーを探します。支援情報ヘッドラインは国・都道府県の支援情報を集めた検索ページで、カテゴリ「セミナー・イベント」と地域で絞れます。申込前に、質疑応答の有無、申込フォームでの事前質問の受付、終了後の問い合わせ先を要項で確かめます。
  3. 主催者が参加方法を案内する。申し込み後、主催者から会場の案内やオンライン配信の参加方法が届きます。届く時期と方法は催しごとに異なるため、申込完了の画面や確認メールを保存しておきます。
  4. 主催者が講演を運営する。質疑応答が設けられる回では、用意した質問のうち講演で答えが出なかったものを聞きます。質疑がない回では、事前質問の欄や要項の問い合わせ先を使い、個別相談の枠があればそこで聞きます。

参加後は、講演の内容を比較票に書き写します。未回答の事項が残った質問は、資料の確認か個別相談に回します。

よくあるつまずき

  1. 申し込んだのに、参加案内のメールが届かない。迷惑メールのフォルダと、申込時に入力したアドレスを確かめます。それでも見当たらない場合は、開催要項に載っている主催者の問い合わせ先へ連絡します。
  2. セミナーに出たのに、次に何をするかが見えない。講演の内容が、自社の段階より先か手前だった可能性があります。対象欄を読み直して段階に合う回へ切り替えるか、比較票をもとに資料の比較へ進みます。
  3. 個別相談を申し込んだのに、具体的な費用の話にならない。業種・規模・進出時期・候補地域が伝わっていないと、相手は一般論で答えるほかありません。4 点を短い文書で渡した上で、初期費用の内訳、手続きにかかる期間、見積りに含まれない作業の 3 点を回答してもらうよう頼みます。

参加前に何を確認すればよいのか?

対象者と講演項目、登壇者、形式と質疑、講演資料の扱いの 4 点を確かめます。4 点が揃えば、参加した時間を次の比較に回せます。

  1. 対象者と講演項目が自社と合っているか。対象欄の段階と、講演項目に自社の論点が入っているかを照らします。
  2. 登壇者の専門と構成を把握したか。登壇者の所属と、サービス紹介や個別相談の有無を要項で確かめます。
  3. 形式・参加条件と質疑の有無を確かめたか。会場かオンラインか、参加費、会員限定かに加え、質疑・事前質問の受付・問い合わせ先を申込前に確認します。
  4. 講演資料と録画の扱いを確かめたか。資料の配布や録画配信の有無は催しごとに異なるため、要項か問い合わせで確かめます。

進出後に起こりやすい失敗を先に知っておくと、セミナーで聞く質問を具体的にできます。撤退に至った理由を含む論点は、ベトナム・タイで日本企業が撤退する理由|進出前の確認 にまとめています。

よくあるご質問

Q. ベトナム進出セミナーは無料で参加できますか?

無料の回も有料の回もあります。神奈川県が共催した 2026 年 9 月のセミナーは無料でしたが、ジェトロの催しには会員限定や会員割引の回もあるため、要項で確かめてください。

Q. オンラインと会場参加はどちらがよいですか?

講演を聞く目的ならオンラインでも足ります。登壇者や他の参加企業と直接話したい場合や、講演後の個別相談を使いたい場合は、会場参加を選ぶと機会が広がります。

Q. セミナーに出れば、支援会社を選べますか?

セミナーは論点をつかむ場で、支援会社を選ぶには複数社の比較が要ります。講演で得た論点を軸に、資料で対応範囲・対象地域・対応言語を並べてから個別相談に進みます。

Q. セミナーの後、UpAsia はどう使えますか?

セミナーで得た論点をもとに、ベトナムの支援サービス資料を無料の会員登録でダウンロードして比べられます。相談の窓口は UpAsia ではなく各掲載企業です。

個別の相談は、資料を読んで候補に残した掲載企業へ、各社の窓口から直接申し込みます。UpAsia は資料を集めて無料で配るポータルで、相談の仲介はしていません。

ベトナム進出の全体像とリスクの比較は、ベトナム進出ガイド|メリット・リスクを他国比較で解説【2026年版】 で確かめられます。資料の掲載をご希望の企業は、UpAsia トップページの「掲載ご希望の方はこちら」からお問い合わせください。

進出の方針が固まったら、会計・税務・会社設立を扱う支援会社の資料で、設立後の実務まで見通しておけます。

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