中小企業のベトナム進出事例4件を比較|進出ルート別のつまずきと相談先【2026年】

中小企業のベトナム進出事例は、法人の有無・拠点・現地業務・契約の主体が自社に近いものを選ぶと、次に確かめる事項と相談先を絞れます。 東京都中小企業振興公社が公開する 4 社の事例でも、委託生産、作図の子会社、賃貸工場、取引先に追随した拠点で、つまずいた手続きはそれぞれ違いました。
この記事は、東南アジアビジネス資料ポータル UpAsia(アップアジア、運営: Talenty株式会社)の編集部が、公開一次資料をもとにまとめた解説です。東京都中小企業振興公社の公開事例 4 件を、ジェトロの在ベトナム日系企業調査、進出形態の解説、2026 年施行の新投資法に突き合わせました。UpAsia は、東南アジア 6 か国の進出支援サービスの資料を無料で比較・ダウンロードできるポータルです。2026 年 10 月 21 日時点の UpAsia 編集部の集計では、公開中の資料ページは 77、掲載企業は 55 社です。
中小企業のベトナム進出事例から、何が読み取れるのか?
答え: 法人・拠点・業務の組み合わせによって、準備の中身とつまずく場所が異なることが読み取れます。事例は成否の結論よりも、どの段階で何に時間を取られたかを拾うと、自社の準備に使えます。
東京都中小企業振興公社(以下、公社)は、海外展開の支援を使った企業の取材記事を「成功事例」として公開しています。そのうちベトナムに関わる 4 件を、法人の有無、拠点・施設、現地業務、出来事の時期と掲載年度に分けて並べたのが次の表です。
| 企業 | 公社の掲載年度 | 法人の有無 | 拠点・施設 | 現地で担う業務 | 移管・設立の時期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 彩華生活 | 令和 7 年度 | 取材記事に記載なし | 韓国系・台湾系企業のベトナム工場(生産委託) | 主力製品の生産 | 2023 年に生産移管 |
| 空間デザイン | 令和 4 年度 | ダナンに子会社 | ダナン中心部の事務所 | 日本で受注した設計の作図 | 2023 年 2 月に子会社設立 |
| 河政工業 | 令和 5 年度 | 現地子会社あり(法人登記日は記事に明記なし) | ハノイに近いローカルの賃貸工場 | 機械加工と組立(設計・調整は日本) | 2024 年 3 月に工場設立 |
| 小山 | 令和 6 年度 | 現地法人あり | ベトナムの拠点 | 部品供給と現地調達先の開拓(現地調達への移行を計画) | 2024 年 11 月に法人開設 |
出典: 東京都中小企業振興公社「成功事例」(彩華生活、空間デザイン、河政工業、小山。UpAsia 編集部が整理)
法人の有無と業務の進め方は別の列なので、法人を持ちながら生産を委託する、といった組み合わせも書き分けられます。表と取材記事を読み合わせた結果を、編集部は次の 2 点に整理しました。
- 事例から分かること。つまずきは法人と施設の組み合わせに沿って分かれます。委託生産の彩華生活は委託先との意思疎通で、法人を設けた 3 社は事務所や工場の契約、申請の書類で時間を取られました。
- 現在確認すべき条件。4 件は、2023〜2024 年に生産移管や拠点設立を行った企業を紹介した事例で、取材・掲載時期は各記事によります。2026 年 3 月施行の新投資法で法人設立と投資登録の順序の扱いが変わったため、事例の手続きの順序は現行制度で確かめ直します。
近い事例を決めたら、先に確かめる事項、資料の例、資料とは別に当たる窓口を次の表で分けます。資料の対象は公開の紹介文と題名から読める範囲で、詳しい支援範囲は各掲載企業に確認します。
| 自社の条件 | 近い事例 | 先に確かめる事項 | UpAsia の資料の例 | 別に当たる窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 生産委託・仕入れ | 彩華生活 | 小ロット対応、現場との連絡経路、船便の頻度 | ホーチミン市の日系貿易商社が御社の仕入れや現地販売をサポート | 委託先候補の紹介は公的窓口も使う |
| 作図などの子会社 | 空間デザイン | 事務所契約と設立の順序、作図人材の採用 | 【ベトナムでの人材採用なら】Grasp!採用支援サービス(採用) | 物件と設立の手続きは設立支援の専門家 |
| 工場の賃借と設立 | 河政工業 | 物流、労働者確保、地盤、給排水、ライセンスによる入居可否、契約書 | 【ベトナム進出検討企業様向け】プロによる工業団地選定無料コンサルティング | 契約書の確認は法務の専門家 |
| 販売・調達の拠点 | 小山 | 申請するライセンスの範囲、税の扱い、現地語人材 | 会計・税務・会社設立の事務所資料(記事末尾で案内) | 必要書類の照会はジェトロの貿易投資相談サービス |
工業団地選定の資料は、公開の紹介文で㎡単価やエリアに加え、物流、労働者確保の状況、税制優遇、地盤の固さ、給水排水、事業ライセンスによる入居可否を比べる視点に挙げています。4 件はいずれも公社の支援を使って進んだ企業の記録で、撤退した企業は含みません。撤退に至った理由は、ベトナム・タイで日本企業が撤退する理由|進出前の確認で別に整理しています。

4 社の事例は、それぞれどんな準備期間で進んだのか?
4 社は、準備にかけた期間も、遅れたときの対応も異なります。取材記事から確認できる経緯を、つまずいた条件とあわせて整理します。
彩華生活: 小ロット対応の委託先を探し、窓口が本社になった
彩華生活は、子育て家庭向けのアイデア商品を企画・生産・販売するメーカーです。主力製品の売上減少と円安による輸入コストの上昇を受け、検討開始から 1 年弱で発注し、2023 年に生産を移しました。取材記事は、ベトナムで小ロットに対応できる企業は見つけにくいと説明しています。公社のナビゲーターは、日本への輸出実績があり、周辺のサプライチェーンを自社で構築できている台湾系・韓国系・中国系企業の工場を候補にしました。委託先は、中国に材料手配の拠点と開発機能を持つ韓国系と台湾系の 2 社です。
業務の窓口が委託先の本社になり、指示が生産現場に十分伝わらない場面があったと紹介されています。同社は、指示を細かく出して確認する方式に改めました。ベトナムからの船便は中国より少なく、天候で納期が大幅に遅れたこともあったといいます。
空間デザイン: 事務所の契約が設立の前提だった
空間デザインは東京都豊島区の建築設計事務所で、公社の令和 4 年度事例では従業員 27 人と紹介されています。2019 年に海外展開プラン策定支援の利用を始め、現地での設計の直接受注は難しいと判断して作図の拠点を計画しました。2022 年に 2 回現地を訪れ、12 月に事務所を契約し、2023 年 2 月に子会社を設立しています。
取材記事では、事務所の契約がないとベトナムで会社を作れないため非常に苦労したとされています。先に物件を押さえて数か月後に入居する、という日本の慣習は通じにくかったといいます。設立手続きは、公社が紹介した日系コンサルタントが支援しました。
河政工業: 契約直前に工場が取り消された
河政工業は金属部品と産業用自動化設備を手がける会社で、取材当時はベトナム人社員が 4 人在籍していました。工業団地内の日系・ローカルの賃貸工場を調べた後、支援 2 年目の 2023 年 6 月前後に契約直前の物件が取り消されました。公社が紹介した日系不動産会社の協力と社長の現地での直談判で別の工場と契約し、2024 年 3 月に工場を設立しています。社長は取材で「言葉だけをうのみにしないこと」と語り、契約書の確認を勧めています。
小山: 追加で申請したライセンスの削除を求められた
小山は、ねじや冷間鍛造部品などを扱う商社です。取引先メーカーへの部品供給を目的に、約 2 年の準備を経て 2024 年 11 月に法人を開設しました。過去に 3 つの海外拠点を設けていますが、当時の実務を担った人は社内におらず、今回は手探りで進めたといいます。取材当時は日本からの派遣 2 人と現地採用 2 人の 4 人体制でした。
申請では、現地のコンサルタントの勧めで小売ライセンスも合わせて申請したところ、役所から削除を要請されました。同社の取締役は、却下されると初めからやり直しになると語っています。申請の範囲を広げる提案を受けたら、却下や再申請のリスクを減らすため、審査への影響を申請前に確かめます。
取材記事では、商社のため EPE(輸出加工企業)に該当せず、想定した VAT 免除の扱いを受けられなかったと説明されています。これは同社の取材時の説明で、商社一般の EPE 資格や VAT の扱いを判定するものではありません。同社は当面、日本や中国からの商品を納め、価格面からいずれベトナム調達に移す方針です。英語の問い合わせに反応がなかった仕入れ先候補とも、ベトナム語を話せる社員の採用後に接点を持てました。
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事例を自社に当てはめる前に、どの条件をそろえるべきか?
答え: 法人の有無と拠点、現地で担う業務、契約の主体の 3 つをそろえてから比べます。この 3 つがずれた事例を手本にすると、要らない手続きを準備したり、必要な許認可を見落としたりしがちです。
法人の有無と拠点は、ベトナムに拠点を置くかどうか、置くならどの形態かで分かれます。ジェトロの解説では、外国企業の進出形態として駐在員事務所、支店、現地法人が挙げられています。駐在員事務所に認められる活動は連絡、事業協力活動の促進、市場調査などで、ジェトロの解説では営業活動は認められないとされています。支店は WTO 約束により、銀行業や法務サービスなど一部を除く多くのサービス業で認められていません。
現地法人の設立順序は、2026 年に制度が変わりました。ジェトロの設立手続きの解説(2025 年 9 月 12 日更新)は、旧制度の投資登録、企業登録の 2 段階で説明しています。2026 年 3 月 1 日施行の新投資法(143/2025/QH15)第 19 条第 2 項では、外国投資家は第 8 条の市場アクセス条件を満たせば、投資登録証明書の交付・変更の手続きより先に法人を設立できます。第 8 条は、外国投資家に制限のある業種のリストに載る条件として、出資比率、投資形態、投資活動の範囲、投資家の能力と参加するパートナーなどを挙げています。
この条項が定めるのは登録の順序で、投資登録そのものや、登記住所・物件に関する書類が不要になったわけではありません。具体的な手続きは、2026 年 3 月 31 日に公布・施行された施行政令 96/2026/ND-CP 等も確認します。2027 年以降に実行する案件では、2026 年 8 月 24 日公布の改正法 24/2026/QH16(施行は 2027 年 3 月 1 日)による条件付き事業分野の変更も確かめます。相談先の回答は、自社の業種がリストに載るか、載るなら第 8 条のどの条件に当たるかが示されているかで判断します。
契約の主体は、誰の名義で現地の会社と契約を結ぶかを指します。例えば日本本社が委託先と契約する場合と、現地法人が賃貸契約や雇用契約を結ぶ場合では、準備する書類と相談先が変わります。4 件の取材記事は委託先や物件の相手を紹介していますが、契約書上の当事者までは書いていません。
事務所や工場を構える場合は、相談先に次の 4 点を確かめておくと、物件の取り消しや設立の遅れに備えられます。
- 契約の当事者。法人の設立前に結ぶ賃貸契約を誰の名義にし、設立後にどう引き継ぐかを確かめます。
- 申請に使う書類。旧制度の投資登録では、土地使用関連の書類が主な申請書類に挙がっていました。現行制度で設立や登録に添える物件書類を確認します。
- 業種と市場アクセス条件。現地業務を業種名で書き、出資比率や活動範囲の条件が付くかを確かめます。
- 候補が使えない場合の分岐。河政工業のように物件が取り消された場合に備え、次の候補と再交渉の期限を決めておきます。
法人の有無と拠点、現地業務、契約の主体に現地の人員を加えて書き出した「条件メモ」を手元に置くと、事例と相談先を同じ物差しで比べられます。
公的な統計と事例を組み合わせると、何が見えるのか?
答え: 事例はどこでつまずいたかを、統計はその課題がどの程度広く起きているかを示します。並べると、事例の苦労のうち、在ベトナム日系企業の共通課題と重なる論点を抽出できます。
ジェトロの「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」は、2025 年 8 月 19 日から 9 月 17 日に実施されました。ベトナムの日系企業 906 社が回答し、内訳は製造業 409 社、非製造業 497 社です。企業規模別では大企業 351 社、中堅・中小企業 555 社で、報告書の規模別集計では中小企業は 389 社です。規模は、日本本社・親法人の規模で区分されています。
投資環境のリスク(813 社が回答、複数回答)では、「行政手続きの煩雑さ(許認可等)」が 67.5%、「法制度の未整備・不透明な運用」が 58.7%、「人件費の高騰」が 57.3% でした。小山が受けた小売ライセンスの削除要請や、空間デザインの事務所契約の苦労は、上位 2 つの課題と重なる論点です。ただし、個社の苦労が同じ要因から起きたかまでは、集計値からは判別できません。メリット(814 社が回答、複数回答)の上位は「市場規模/成長性」68.4%、「人件費の安さ」55.2% で、河政工業が海外生産のコスト面の利点を挙げた点と対応します。
業績の面では、2025 年の営業利益の見込みを黒字とした企業が 67.5% で、製造業 74.1%、非製造業 61.2% でした。今後 1〜2 年の事業を拡大するとした企業は 56.9%(製造業 51.1%、非製造業 61.7%)です。ジェトロは、黒字の割合が 2009 年以降で最も高く、拡大意向は ASEAN で 2 年連続の首位だったと報告しています。これらは大企業と中堅・中小企業を合わせた値で、中小企業には参考値として当てはめます。
採用の面では、調査時点までの直近 2 年間の雇用環境の変化について、採用が困難になっていると答えた企業が 48.2% で、ASEAN 全体の 36.8% を上回りました。この設問の回答は製造業 406 社、非製造業 488 社で、調査全体の 906 社とは母数が異なります。業種別では製造業 66.7%、非製造業 32.8% で、地域による差も大きいため、回答企業数と合わせて見ます。
| 業種 | 地域 | 直近 2 年で採用が困難になったと答えた割合 | 回答企業数 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 北部 | 76.0% | 204 社 |
| 製造業 | 中部 | 62.5% | 24 社 |
| 製造業 | 南部 | 56.7% | 178 社 |
| 非製造業 | 北部 | 36.3% | 223 社 |
| 非製造業 | 中部 | 21.1% | 19 社 |
| 非製造業 | 南部 | 30.5% | 246 社 |
出典: ジェトロ「業績や事業拡大意欲は好調継続、採用難の課題感は高まる(ベトナム)」(2026 年 2 月 13 日)
中部は回答企業数が製造業 24 社、非製造業 19 社と少なく、割合の振れ幅が大きくなりやすい点に注意します。ハノイに近い工場を借りた河政工業は北部の製造業に当たり、この区分では 4 社に 3 社程度が採用難を挙げています。取材記事では、ベトナム人社員の 1 人が入社 7 年目を迎え、現地を任せられるまで育ったことが進出の後押しになったと紹介されています。調査は同社の判断を検証したものではありません。それでも採用難を踏まえると、既存社員を活用できるかは準備段階で確認したい論点だと編集部は考えます。

進出ルートごとに、相談先はどう使い分けるのか?
答え: 情報提供と相談は公的窓口で受け、書類作成や手続きなど個別業務の受託・契約は民間の支援会社や専門家に見積もりを取って使い分けます。4 社の事例でも、公社が計画づくりや紹介を担い、設立手続きや工場の確保には日系のコンサルタントや不動産会社が関わっていました。
中小企業が使える公的窓口の 1 つに、ジェトロ・ハノイ事務所の「ハノイ・プラットフォーム」があります。各種情報提供、個別相談への対応、ビジネスパートナーの紹介・取次ぎを行い、申込先は企業の所在地で異なります。ベトナムに拠点がある企業はハノイ事務所、東京都内の企業はジェトロ海外展開支援部のプラットフォーム班、東京都以外の国内企業は最寄りのジェトロ国内事務所が申込先です。東京都の企業であれば、4 社が使った公社の海外展開支援も候補になります。
同じページでは、士業分野として法務・労務・税務・会計・M&A の相談に対応すると示され、案件によっては対応できない場合があるとも注記されています。紹介を受けた専門家には、どこまでが相談の範囲で、どこからが個別の受託契約になるかを最初に確かめます。輸出入や海外進出の実務の相談は「貿易投資相談サービス」に案内されており、必要書類や手続きの照会はこちらを入口にします。
UpAsia の各資料のページでは、カテゴリ、対象地域、対象顧客(進出済み/進出が決定している/進出検討中)、対応言語を確かめられます。資料のダウンロードには会員登録(無料)が要り、登録したメールアドレスにダウンロード URL が届きます。UpAsia は資料を集めて配るポータルで、相談や見積もりの窓口は各掲載企業です。
支援会社を比べる観点は、ベトナム進出コンサルの選び方と費用相場【2026年】で整理しています。ベトナム以外の国の支援も含めて比べる場合は、東南アジア進出支援サービスの選び方と比較【2026年版】が参考になります。
現地での販売を検討していて、現地マーケティングから受発注・顧客対応まで見据えた支援を探している場合は、ASEAN 進出支援サービスの概要資料を条件メモと照らし合わせてください。 ASEAN進出支援サービスの資料を見る
事例をもとに、次の一手はどう決めるのか?
答え: 社内で条件メモと課題の予測をそろえ、相談の場で書類の確認と見積もりの比較を行う 4 段階で決めます。前半の 2 段階は自社だけで進められ、後半の 2 段階は公的窓口・専門家や民間支援会社の回答が要ります。
- 条件メモを書く。法人の有無と拠点、現地業務、契約の主体、現地に置く人員の 4 行を書き出します。決まっていない行は「未定」と書き、相談で埋める項目として残します。
- 近い事例を選び、課題を予測する。条件メモに近い事例を選び、その会社の準備期間と遅れの原因を拾います。地域と業種の近い統計で、採用や行政手続きの課題がどの程度広く起きているかも添えます。
- 条件メモを渡して必要書類を確認する。公的窓口や専門家に条件メモを渡し、現行制度で必要な手続き、書類、期間の目安を聞きます。駐在員事務所や支店を考えている場合は、予定している活動が認められる範囲に入るかも確かめます。
- 同じ条件で支援範囲と見積もりを比較する。民間の支援会社には同じ条件メモを渡し、対応範囲、自社が担う作業との境目、見積もりを出してもらいます。回答を条件メモの同じ行に書き戻し、答えが割れた項目は追加で質問します。

よくあるつまずき
- 事例と同じ順で準備したのに、設立の手続きが進まない。空間デザインの事例では、事務所の契約がないと会社を設立できませんでした。新投資法が変えたのは登録の順序で、物件書類の要件は別に確かめる必要があるため、両方を所管機関や専門家に確認します。
- 委託先と契約したのに、指示が現場に届かない。彩華生活の事例では、業務の窓口が委託先の本社でした。契約の前に、現場の責任者と直接やり取りできる経路があるかを確かめます。
- 英語で問い合わせたのに、仕入れ先から返事が来ない。小山の事例では、ベトナム語を話せる社員を採用してから接点を持てるようになりました。現地語で連絡できる人員をどの段階で確保するかを、条件メモに加えます。
相談の前に、何を確認しておくべきか?
次の 4 つの問いにすべて答えられれば、相談に進む準備は整っています。
- 条件メモの 4 行は埋まったか。未定の行には、相談の最初の質問として印を付けておきます。
- 業種が市場アクセス条件の対象かを聞いたか。対象なら第 8 条のどの条件に当たるかまで回答に書かれていれば完了です。
- 支援会社の対応範囲は条件メモの全行に及ぶか。範囲外の行は、担う別の相談先を決めてから候補に残します。
- 統計の条件を数値の横に書いたか。調査年、回答企業数、地域と業種を添え、母数の小さい区分は参考にとどめます。
よくあるご質問
Q. 中小企業のベトナム進出事例は、どこで探せますか?
自治体の中小企業支援機関が公開する取材記事が手がかりになります。東京都中小企業振興公社は、海外展開の支援を使った企業の事例を「成功事例」として公開しています。
Q. 成功事例を読むときに、気をつけることはありますか?
公開事例は支援を使って進んだ企業の記録で、撤退した企業は含まれにくい点に注意します。撤退の理由を扱った記事や統計と並べて読むと、判断の偏りを減らせます。
Q. ジェトロ調査の割合は、中小企業にもそのまま当てはまりますか?
調査の割合は大企業と中堅・中小企業を合わせた値で、規模の違いは残ります。地域と業種が近い集計値と照らし合わせ、参考値として扱うのが安全です。
Q. UpAsia に相談すれば、支援会社を紹介してもらえますか?
UpAsia は進出支援サービスの資料を集めて無料で配るポータルで、紹介や仲介は行いません。資料を読んだ後の相談や見積もりは、各掲載企業に直接問い合わせます。
現地法人や駐在員事務所の設立に進み、会計・税務・労務・許認可の相談先を探している場合は、日本語窓口で対応する専門事務所の会社案内で対応範囲を確かめられます。
